望む世界は自分でつくる

子どもふたりと暮らすシングルマザーが、自宅の一室をairbnbで貸して、家にいながら多様性に触れる日々を書いています。4期連続airbnbスーパーホスト。

さまざまな人生に触れる

 それから、さまざまな場所へ行く際はairbnb、カウチサーフィン(旅人を無料で泊めたり、会って遊んだりするサービス)を利用するようになりました。WWOOF(農業を手伝う代わりに宿泊場所と食事を提供してもらう)をしたこともあります。ひとり旅をしていたころは友人の家に泊めてもらうこともよくありましたが、子どもを2人連れているとなかなか頼みにくい。そんなとき、しくみとして自分の家を宿泊場所として提供する人と出会えるのはありがたかったです。

 

 いろいろな場所に泊まり、さまざまな人と生活を少しだけ見せてもらいました。私は子どものいる生活に今はとても興味があるので、さまざまな国で子育て中の家庭がどのように子どもと向き合っているのか、それにまつわる食やインテリアを見ることはとても楽しかったです。また、子どもたちには東京の自分たちの生活は世界のごくごく一部で、あなたたちが大人になったら今とは全然違っても好きなことをして、好きな場所に、好きな人と住めばいいんだよ、ということを伝えてきたつもりです。言葉がなくても通じる思いもあるけど、言葉があるならとても便利、ということも繰り返し伝えました。どこまで伝わっているかはわかりませんが…。

 

 いくつかの場所へ行き、考えたことがあります。

 

ひとつは、私が住んでる街はけっこうイケてる!ということ。流行ってるから、という理由だけでポートランドに行ったとき、たしかに素敵だし面白い取組みや場所が多いけど、この感じは我が地元とすごく似てるなあと思いました。

 

 ふたつめは、自分が幼いことからずっと育った場所である「地元」という感覚は子ども自身にとって大切だなということ。道を歩けば知り合いに会い、いつもの公園にいれば誰かしらいて遊びが始まる、それを遠巻きにたくさんの大人たちが見ている、というような。それを行った先々の人がしているのを見て、うらやましくなりました。旅は楽しいですが、帰ったらいるたくさんの友だちに会いたいなと思いました。本当に「青い鳥」状態です。

 

 みっつめは、案内してもらうより案内する側のほうが楽しいんじゃないか?ということ。ホストたちは、自身が住んでいる場所のすてきなところや仲のいい人をたくさん紹介してくれました。もちろんこちらも楽しかったけど、紹介するほうも楽しそうだな、とずっと思っていました。

 

 そして、行く先々で本当に親切にしてもらって、この感謝は自分のうちだけに留めていてはもったいない、誰かに恩送りをしたい、循環させたいと思うようになりました。WWOOFで泊めてもらった家での経験は本当に素晴らしいものだったのですが、私が何かの巡り会わせでこういう素晴らしい場所に泊まれたのは、ここからなにかを学んでほかの場所へ還元するべきだからなのでは、ということを本気で考えました。この場所に限らず、場所や人に恵まれていたのは、私個人が楽しむためだけではないんじゃないか、と。